一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアムは、沖縄の伝統工芸品である琉球びんがたを日常使いできるよう、「Bingata Scarf」を開発しました。こちらのスカーフは琉球びんがたオンラインストアにて3月1日より販売を開始します。
企画背景
現在、琉球びんがたの多くは着物・呉服関連商品として販売されています。着物・呉服業界で憧れの染物として多くの人々の知られている琉球びんがたは、製作工程のすべてが職人の手作業ということもあり高額なものが多く、帯だと数十万、着物だと数百万以上の価格で販売されている商品もあります。そのため、せっかく興味を持っていただいたお客様でも、なかなか手の届きにくいのが現状です。また、着物・呉服業界は縮小傾向にあり、若い世代の着物離れも進んでいます。この度、琉球びんがたをもっと身近に感じて頂き、日常使いできる商品を開発したい、普段着物を着ない方や若い世代の方が琉球びんがたを知るきっかけ作りがしたいという思いから、Bingata Scarfを企画しました。
商品紹介
今回制作いただいたのは、やふそ紅型工房と知念紅型研究所です。スカーフにしても美しく見える図柄を6柄ずつ選定していただきました。生地はSDGsの観点から、工房にストックがある生地の中から、スカーフに合うものを選定いただき、染めていただきました、図柄の出方も1本1本異なるため、販売する商品はすべて1点ものとなります。
琉球びんがたとは
琉球びんがたは、沖縄の豊かな自然や特色を鮮やかな色彩や図柄で表現した沖縄の最も代表的な伝統的手染物です。戦前までは琉球衣装として、戦後には和装として多く染められ戦前以上に全国へと広がっていきました。起源は15世紀ごろ、中国やインド、ジャワの更紗などの染色技術を基に琉球びんがたが生まれたとも言われています。薩摩侵攻、琉球処分、太平洋戦争などの影響により歴史の中で何度も消えかけ、その度に荒波を乗り越えて現在に繋いで歴史を紡いできました。
やふそ紅型工房
代表屋冨祖幸子は日傘や琉球絣、洋服、水着、漆器を染めるなど、紅型を現代につなぐ商品開発や、最初の紅型カルチャースクール開講、ファッションデザイナーとのコラボレーションなどの先駆者として尽力してきた。16年間「琉球びんがた事業協同組合」の理事長を務め、現在は琉球びんがた普及コンソーシアムの初代理事長。
所在地:〒902-0066 沖縄県那覇市大道105
代表:屋冨祖 幸子
知念紅型研究所
琉球王朝時代から続く老舗紅型工房であり、王朝時代、王族お抱えの紅型三宗家と呼ばれる工房の1つ。工房の現当主は知念冬馬。京都や海外でのデザインの学びを経て、2017年に祖父・貞男の跡を知念家10代目として継ぐ。型紙を2枚または3枚重ねて染める技法「朧型」や、生地の表裏に柄を染める「両面型」に精力的に取り組んでいる。近年は、他の産地や業界とのコラボレーションにも力を入れ取り組んでいる。
所在地:〒901-0153 沖縄県那覇市宇栄原1丁目27−17
代表:知念 冬馬